2012/06/27
ルノアールの凄さ
私はあちこちのルノアールに入り浸っています。でもルノアールのコーヒーが特別好きなわけではありません。食事もいたって普通。基本的にトーストとサンドイッチ類しかないのですが味も量も中途半端です。ではお店の雰囲気はどうか。これもまた微妙です。いいムードとはほど遠いし、禁煙席でもタバコ臭い、お洒落なお客さんも皆無。ではなぜそんな店に通い続けるのか。それがルノアールの凄いところなのです。彼らは他の喫茶店とはまったく違う戦略を選んでいます。まず、好立地。関東の主要な駅前には必ずと言っていいほどルノアールがあります。そして統一されたオペレーション。そのオペレーションとは短期的な効率をまったく考えないことです。まず、混雑している時でも自由に座らせる。四人席に一人で座ってもOKです。そしてコーヒー一杯で長居させる。コーヒーがなくなると無料のお茶がいくらでも出てきます。こんなことで採算が取れるのかと考えてしまいますが大丈夫なのです。それは集客に圧倒的な強みを持っているからです。知らない街で喫茶店に入るとき、ルノアール族は必ずルノアールを探します。そこには必ず約束された空間があるからです。「お好きなところに座ってください」「どうぞごゆっくり」この二つを徹底することで、ルノアールは広告費のかからない圧倒的な集客力を実現しているのです。