2013/04/03
本当の喪失感
今の自分。自分の置かれている立場や自分が持っているもの。そういうものに心から満足している人ってほとんどいないような気がします。でもなかなかそれを変えようとはしない。それは失うことが怖いからです。人はみんな何かを失うことを恐れているのです。新しい何かを始めるためには今持っている物を捨てなくてはならない。今の仕事を失い、今のポジションを失い、さらには家も家族も失うかもしれない。そんなふうに考えてしまうのでしょうね。失った時の喪失感を考えるとなかなか勇気は出ないものです。人は何を失いたくないのでしょう。地位、名誉、家、友達。喪失感という言葉を調べると「愛着のあるものを失ったときに感じる苦痛」と書いてあります。大切にしているものを失うのは確かに悲しいです。でもどうなんでしょう。喪失感というのはもっと人間がらみな気がします。地位や名誉や仕事を失うことが苦痛なのではなく、それらを失った事によって人からの見られ方、人とのつき合い方が変わってしまうこと。それが喪失感の正体なのではないでしょうか。人が本当に恐れているのは人との関係を失うことなのでしょう。人は人しか失えないのです。