2013/07/03
エレベータでの身分
エレベータに乗り込むときにもしも誰か先約がいたとしましょう。「すみません」って言いますよね。たとえ言わなくても心の中ではつぶやいている。それは「この私のために余計な階で停めてしまってすみません。みなさんのスケジュールを10秒ほど無駄にしてしまってすみません」という意味です。これはきっと日本人独特の感覚でしょうね。だって海外ではそんなこと言われたことありませんもん。申し訳なさそうな態度をとられたことすらありません。でも彼らが無神経だというよりも日本人が気を使い過ぎなのかもしれませんね。だってお互い様なのですから。みんな誰かを足止めすることによってエレベータに乗っているのです。時々この慣習にあえて抵抗しようとしている人を見かけることがあります。「エレベータを停めて何が悪い」というように開き直った態度の人です。でも彼にしても心の中では申し訳ないと思っているからこそ「いや別に申し訳なくはないんだ」って自分に言い聞かせているのです。ひとつ上の階から乗ったというだけで立場が上になる。後から乗る人もそれを認めてしまう。そういう暗黙の了解って日本人の七不思議ですよね。たまに外国人が「スミマセン」なんて言いながら乗ってくると申し訳ない気分になりますもん。そこまで郷に従わなくてもいいですよって言いたくなっちゃいます。