2013/09/11
いい人と悪い人
世の中の人がみんないい人に見える時ってありますよね。厄介な仕事に一区切りつけてぐっすり眠った翌朝。その日が休日で空が雲ひとつない快晴だったりすると、なぜかウキウキしてのんびり散歩でもしたくなります。そういう時は街ですれ違う人がみんないい人に見えるのです。目の前をトロトロ歩くおじいさんや、うるさい子供たちですら微笑ましく感じる。「人間って素晴らしいな」なんて妙に納得する。そういう精神状態がずっと続けば人生はハッピーなのでしょうね。でもそういうわけにはいきません。その素敵な魔法はあっという間に効力を失っていくからです。私が住んでいる東京という街では顕著です。都会は刺激がいっぱいあって楽しく便利なのですけど、その分ストレスもたくさんあります。人ごみ、渋滞、トラブル。嫌な思いをせず、嫌なものを見ずに一日を過ごすことは難しい。あれよあれよという間に心が荒んでいき、すれ違う人がみんな自分勝手な人に見えてきます。トロトロ歩く人に腹を立て、走り過ぎていく人に腹を立て、いちゃいちゃするカップルにも腹を立てる。「みんな最低な奴らばかりだ」と人間嫌いになってしまうのです。世の中には極悪非道な人も確かにいます。でもほとんどの人はいい人でも悪い人でもない。それを決めているのは自分の心の状態なのです。