2014/02/12
民主主義の矛盾
民主主義のベースは多数決です。一握りの人間が独裁的に国家を支配するのではなく、みんなの選挙によって選ばれた人が国を治めていくのです。なんか理想的な感じがします。公平で平和な世界。そのためにアメリカをはじめとする先進諸国は民主主義を広めようとしているのです。でも、もしも民主主義が世界中に広がったとしたら、ものすごく矛盾する事態が起こります。一握りの権力者ではなくみんなの投票で世界を動かす。そうなったら世界最高の権力者は合衆国大統領ではなくなります。中国の人口は13億人。対するアメリカはたったの3億人です。だから選挙をしたら確実に負けます。それだけではありません。世界選挙で宗教を決めるとしたら、選ばれるのはキリスト教ではなくイスラム教です。英語も公用語ではなくなるでしょう。もしも世界人類がすべて平等な一票を持ち、公平な選挙によってあらゆる問題を解決しようとすると、アメリカをはじめとする白人キリスト教国家にとって都合の悪いことばかりが決められていくのです。だから絶対にそんな方向に世界を持っていったりはしない。「民主主義だ」「人権だ」と叫んではいますが、それは民主主義国家を増やしたいということであって、世界のシステムを民主主義にしたい訳ではない。世界の政治とはそういうエゴイスティックなものなのです。