2014/05/07
答えを聞いてはいけない
なぜ皆さんそんなにも答えを知りたがるのでしょう。私は今までに8冊の本を書き、200回くらいの講演をしてきましたが、結局言いたかったのは二つだけです。「常識を疑う」ことと「自分の頭で考える」こと。私はビジネス書をほとんど読みません。それは自分がビジネス書を書く立場だからだと思います。「これをやれば必ず成果が出る」「これさえやれば成功者」というようなノウハウはない。それがよくわかっているからです。もしも答えがあるのなら、こんなにもたくさんのビジネス書があるはずがない。だってそこには正反対とも言える無数の答えが書かれているのです。答えはない。あるいは答えは無数にある。その両方が答えです。時代により、状況により、相手により、自分自身により、答えは変化し続けます。だから答えを手に入れることに意味などないのです。重要なのは答えではなく、答えを導きだす方法。答えは自分の頭の中にあるのです。というか頭の中にしかない。その答えをどうやって引きずり出すか。その方法を考えるためにこそ本を読むべきです。ビジネス書でも小説でも漫画でもいい。答えを見つけ出そうとする苦悩の中にそのヒントはあるのです。いつ、どんな相手にも、決して答えを聞いてはいけない。答えにたどり着くためにどんなことを考え、どんなことをしているのか。それを聞くべきなのです。