2014/05/28
喜怒哀楽
『怒』が北風だとすると『楽』は太陽のようなエネルギーだと思います。『怒』というエネルギーは強いけれども人を遠ざける。『楽』は一見弱そうに見えるのですが、なぜか人を引き寄せる魅力がある。『怒』から『楽』へ、エネルギーの種類を切り替えていくことが成長するということであり、大人になるということなのかもしれません。歳を取るごとに余計に『怒』を増していくおじさんを見かけると、とても悲しくなります。彼の周りには目に見えないバリヤーみたいなものがあって人を遠ざけています。人は生まれた時にはきっと『喜』から始まるのではないでしょうか。見るもの触れるもの全てが新鮮で喜ばしい。そして思春期に『怒』が目覚める。怒りを心に秘める若者はちょっとミステリアスで魅力的でもあります。不良は決してニコニコしない。若い頃には不機嫌がかっこいいのです。そして『哀』に遭遇する。思いもかけない悲しい出来事。そういうものを経て人は優しくなるのです。『喜』『怒』『哀』がミックスされ、ひとつの人格が出来上がっていく。そして最後にどんなことでも楽しめる『楽』の境地へと達するのだと思います。怒りを秘めた中学生は魅力的ですが、不機嫌なおじさんはただかっこ悪いだけです。楽しく動じない心をもった大人。それがいい男の条件だと思うのです。