2012/05/09
日本人の個性
個性というものはなかなか自分では分かりにくいものです。俺って個性的だ。なんて思っている人は大抵、他人と比較して変わっている部分を個性と言っているに過ぎない。でも個性とはそういうものではありません。自分と似た人が多かろうが少なかろうが自分にとっての自然な姿。ありのままの自分。それが個性というものです。個性的=人とは違って目立っている、という図式は安直すぎます。地味な集団に派手な人がいれば目立つように、派手な集団に地味な人がいれば目立つ。白と黒どちらが個性的かなどという問いかけには意味がないのです。例えば世界の人口の20%は中国人です。だから中国人に共通する性質は世界中に溢れているわけです。でもやっぱりそれはれっきとした中国人の個性です。数と個性とは関係がない。で、日本人の個性についてです。日本人には個性がないと感じるのは自分が日本人だからです。客観的に見たら日本人ほど個性的な民族はなかなかいません。たとえば赤信号。たとえ車が見えなくても大抵の日本人は信号を守ります。あるいはエスカレーターに乗るためにきちんと整列する。それは日本人にとっては当たり前の没個性行動に見えるのですが、外国人から見たらこれほど強烈な個性はないのです。私たちに取っての日常。それがすでに強烈な個性なのです。自分では分からないだけなのです。