2012/06/20
コミュニケーションとは何か
いいコミュニケーションとは100%の情報伝達を意味するのではないと思うのです。「すべてを伝えなくては」と考える営業マンや「私のすべてを分かってほしい」と願う恋人は、そこを大きく誤解しています。重要なのはお客さんが買いたいと思ってくれることであり、恋人が素敵な人だと感じてくれることです。そのためにはすべての情報を伝えてはならない。これが鉄則だと思うのです。「そんなずるいやり方は嫌だ」という声が聞こえてきそうです。でもそれは違います。すべての情報を伝えないのは誠意がないわけでも騙しているわけでもなく、それが相手のためだからです。すべての情報をぶつけてすべてを理解してもらおうなんて、それは暴力です。そんなことをされたら相手はものすごく迷惑です。頭の中で情報がこんがらがって混乱すること間違いなしです。重要なのは膨大な情報の中から必要な情報を選択することです。いらないものを削ぎ落し、相手にわかる言葉に翻訳し、相手のニーズと結びつくように加工してから渡す。これが正しい情報提供のあり方です。コミュニケーションの目的は伝えることではなく、理解してもらうことでもなく、行動してもらうことです。お客さんが商品を買って喜んでくれる。恋人があなたのことを愛しく思って大切にしてくれる。コミュニケーションはそうなるための手段に過ぎないのです。