2012/09/26
記憶力のなぞ
私は数字を憶えるのがすごく苦手です。電話番号はもとより、自分が住んでいるところの郵便番号をどうしても憶えることが出来ません。数字だけでなく、人の名前や単語のスペルも憶えられません。それは憶える対象にイメージがないからです。意味のない記号は記憶に残りにくい。人間だったらみんなそうです。でも例外はいます。かつて京大卒の社員を何人か採用したことがあるのですが、その共通点は記号暗記能力の高さです。彼らは漢字や英単語を書かずに憶えることが出来るのです。じっと何分間かその文字を眺める。それだけで正確なスペルや漢字を記憶することが出来るのです。この記憶力は凄まじいです。それに引き換え、私は漢字やスペルをノートにぎっしり書いても次の日まで憶えられない。記号暗記能力の劣等生なのです。でもそんな私が不思議なことにただひとつだけ憶えられる数字があります。それはホテルの部屋番号です。部屋の前にたどり着き、番号プレートを確かめ、鍵を開ける。これだけでなぜか完璧に部屋番号を記憶できるのです。酔っぱらっても忘れません。たぶんそれは映像として右脳に記憶されているからです。私にとっての部屋番号は記号ではなく映像なのです。反対に、記号にしか見えない人間の顔は記憶に残りません。失礼な話ですが、その判断を私は無意識の内にしてしまっているようです。