2013/02/06
コミュニケーションとしての悪口
いつも人の悪口ばかり言っている人というのは嫌なものですが、人の悪口を全く言わない人というのもつまらないものです。「田中くんってこういうところあるよね」という投げかけに対して「そうかな」とか「僕は気にならないけどな」とか言ってしまう人です。これでは会話というものが成り立ちません。本人はたぶん悪口や陰口というのは性格の悪い心の小さな人間のすることだと思っているのでしょうね。困ったもんです、本当に。正直言ってこんな人と一緒にご飯を食べたり酒を飲んだりしたくはないですよね。私は嫌です。人の悪口ばっかり言う人も信用できませんが、まったく悪口を言わない人っていうのもいまいち信用できません。だって心にやましい事やずるい部分を抱えているのが人間ってもんじゃないですか。嘘をつかない、悪口は言わない、弱音も吐かない。こんな神様みたいな人とご飯を食べて何がいったい楽しいっていうんでしょうか。人には見せられない性格の悪さとか、心の狭さとか、あるいはちょっとした後ろめたさみたいなもの。そういうものを共有する事によってしか成立しないコミュニケーションというものがあります。体温があって、人間っぽくて、時にはどろどろとしたコミュニケーションです。でもそういうコミュニケーションが人生には不可欠なんだって私は思うんですけど。