2014/03/12
答えがないという答え
30代の頃、一生懸命手に入れようとしていたものがあります。それは軸です。つまり物事の判断基準。明確な答えがないことに対して自分なりの答えを出せるようになること。それを『軸を持つ』と表現していました。例えば夜の接待に若い女子社員が誘われる。相手は大口のお客さんです。行くべきか、断るべきか。接待も含めて営業だと考えれば行くのが当たり前。でもそれは仕事ではないという判断もあります。他にも終業前から飲みに誘われたり、社員旅行に同行してくれと言われたり、顧客からは様々な要望が来ます。その時にどう判断するか。そういう基準は会社によってぜんぜん違います。女性は駄目だけど男性ならばOKという会社もあれば、売上さえあげてくれればOKだよという会社もあります。つまりそこには明確な答えはないのです。そういうことに関して自分なりの判断基準を手に入れる。どんな時にもぶれない一貫した考え方。それを持つことが社長の責任だと強く思っていました。でも今は社長ではなくなったので答えないことが許されます。「安田さん〇〇についてどう思いますか?」と聞かれても「知りません」「分かりません」と言えるのです。それはとっても清々しいことです。だって本当のこと言うと答えなんか無いんですからね。ないものをないと言えること。これが本当は一番大事なのではないでしょうか。