2014/07/09
私は間違っている
人間というのはとても弱い物です。すぐに傷つき立ち直れなくなります。だから完全に自信をなくしてしまう前に、自分のことを肯定してあげないといけない。「お前は間違ってないよ」と。でももちろん、慰めてばかりではいけません。「自分は正しい」というところから思考をスタートすることは、心を安定させるためにはいいのですが、行動や発言のベースにしてはいけません。自信を持った行動の背景は思い込みではなく実績でなくてはならない。根拠の無い自信は心をポジティブにはしてくれますが、それだけで乗り越えられるほど人生は短くありません。結局は必死になって考え、訓練し、実績を積み上げることによって自信を手に入れるしか無いのです。もっと困るのは思い込みの自信によって発言することです。これほど不毛な発言はありません。「自分は間違っていない」という思考から参加者全員がスタートしてしまうと、まったく議論は進化しません。だって改善しようがないですからね。今の政治家と同じです。日本はこのままでは立ち行かない。だから消費税を上げ、原発を再稼働する。そう主張する彼らは自分にまったく非を感じていないのです。「私は間違っていない」「私も間違っていない」そこからスタートされた議論は誰一人責任を取ることも無いいびつな結論を迎えざるを得ない。それはとても空しい結末です。