2014/10/08
権力とルールの関係
人が集まって暮らしていくためにはルールが必要です。やっていい事といけない事の境い目を明確にするためです。正直言って、やっていい事がすべて良い事とは限りませんし、やってはいけない事がすべて悪とも限りません。誰かから見た良い事が他の人から見たら悪い事だったり、状況によって善悪は入れ替わってしまうのです。例えば死刑や妊娠中絶。これを是とするか非とするかは意見の分かれるところでしょう。イスラムの世界ではお金を貸して金利を取る事が悪だとされています。つまり、絶対的に正しいルールはこの世に無いのです。でもルールは必要です。それぞれが勝手に生きていたら世の中は滅茶苦茶になってしまいます。ではルールを作るためには何が必要か。それは権力です。権力がなければルールは成り立ちません。違反者を取り締まり、罰則を与えなければ誰もルールを守らなくなるからです。軍事力や警察力や資金力。嫌な響きですが、権力をバックにしないルールには意味がないのです。だからルールは必ず強者が作る事になります。大企業が作ったルールに中小企業が従い、資本家が作ったルールに労働者が従い、アメリカが作ったルールに日本が従う。強者は必ず自分に有利なルールを作ります。結果、強者は強者であり続け、弱者は弱者であり続ける。悲しいかな、これがこの世の秩序を保っているルールなのです。