2012/08/08
顧客とファンの違い
顧客ではなくファンを増やしたいと願っている経営者はたくさんいます。顧客はとにかく安くて質の良いものを要望し続けますが、ファンは少しくらい高くても喜んで買ってくれるからです。顧客をファンに育てるために、より良いサービスや感動的なサービスを心がける。きっと顧客は少しずつ心を開いてファンになってくれるに違いない。そう考えているのかもしれません。でもこの戦略が成功することはないでしょう。なぜならば顧客の延長線上にファンはいないからです。例えばミュージシャンやアイドルのファンは喜んでいろんなものを買ってくれます。だからものすごく上得意の顧客だとも言えます。でもそう考えてはいけないのです。顧客をファンにすることと、ファンが顧客になっていくことは全く違います。そもそも顧客はファンにはならないし、ファンも顧客にはならない。決定的な差は、アプローチの仕方です。ミュージシャンは顧客をつくろうなどとは考えていません。彼らは自分がつくりたい音楽で自分の世界を表現しているだけなのです。その世界観を共有したい、自分もその世界の住人になりたい。そのためにCDやポスターを買い、ライブに参加する。お金を使ってはいますが彼らは買い物しているのではありません。ファンをつくるのならば商品からスタートしてはいけないのです。