2014/08/06
夜景はなぜきれいなのか
私はまだスカイツリーには登ったことがないのですが、高いところから街を見下ろすのは大好きです。それは地上で見ていたものとはまったくの別世界。大きなビルが小さく見え、車や道路がおもちゃのように見え、街行く人々は微かな点のように見える。高いところから広く世界を見渡す爽快感は格別です。自分が鳥になったような、雲になったような、神様になったような、そんな気分にさせてくれます。でもそういう爽快感とは別に、普段見慣れているはずの景色がとてもきれいに見えたりはしませんか。同じビル、同じ街並、同じ道路。なぜかそれがとても美しく見える。それは、夜景がとてもきれいなのと同じです。夜景はなぜきれいなのか。暗い、何も見えないところにキラキラと光がきらめいているから。もちろんそうです。キラキラが奇麗なのです。でも夜景がきれいな理由は他にもあります。それは汚い物が見えないからです。夜景にしても、高いところから見た景色にしても、キラキラや壮大さとは別にそれを成立させている重大な要素があります。それは汚いものや細かい物が見えないということ。近くで見たらもの凄く汚い道路や苦虫を噛み潰したようにイライラしたおじさん。そういうものが夜景や高層ビルの景色からは完全に消去されています。見えないから美しい。それが真実なのです。