2014/09/03
人間同士の約束事
石器時代にはきれいな貝殻がお金の役割を果たしていました。そして占い師が人々を支配していました。「野蛮だなー」とか「素朴だなー」とか思いますよね。だって貝殻をお金だと信じているなんて。占い師を崇め奉っているなんて。昔の人に知識がなかったからでしょうか。あるいはもの凄く素朴な人たちだったのでしょうか。当時の人間社会で価値があると思われているものは今ではほとんど価値がありません。価値の基準が変化したからです。ではどのように変化したのでしょうか。人間に知識というものが増えて、頭が良くなって、貝殻や占い師ではないもっと価値のあるものが分かるようになったのでしょうか。原始時代と比べて価値の基準は大きく変化しました。でも基本的な構造はまったく変わっていないと思うのです。今現在人間社会で価値があると思われているもの。神とか国家とか法律とか。あるいは金、銀、ダイヤ、株券、土地。そういうものは人間以外の自然界の中ではまったく価値を持たないものです。もしも人間がいなくなってしまったら、金はただの錆びない金属に、ダイヤはただの固い透明な石ころになるでしょう。神や国家や法律や株券や土地の所有権などは、存在すらしなくなる。それらは結局人間同士の約束事の中で存在しているに過ぎません。つまり、石器時代の貝殻や占い師となんら変わってはいないのです。