2012/12/12
お金で人を動かす限界
万里の長城や兵馬俑を見ていると始皇帝はいったいどれほどの権力を持っていたのだろうと考えてしまいます。そして同時に、お金で人を動かすことの限界を思い知らされてしまうのです。始皇帝は人を動かす時に給料を払っていたわけではありません。もちろん、リーダー格の部下には褒美を与えていたでしょうけど、ほとんどの人間はただ駆り出されていたのだと思います。あの巨大な万里の長城を築き上げたり、二つとして同じ顔がないという等身大の兵馬俑の大群を作り上げたり、それは想像を絶する大変な重労働だったと思うのです。現在のような機械も加工技術もない時代に短期間であれほど巨大なものを作り上げるためには相当な数の人間が必要だったはずです。駆り出された人間の数そして労働に費やした時間を合計すると、それはもうとんでもない天文学的な数字になるはずです。給料も払わずにこれほどの人間を動員できるとは、いかにその権力が巨大であったことか。権力とはつまるところ人間を思い通りに動かす力のことです。もしもこの始皇帝の権力をお金で手に入れようとしたらどうでしょう。一人一人に給料を払って万里の長城をやピラミッドを作っていたら、あっという間にその権力者は破産してしまうでしょう。そう考えるとお金で人を動かす限界というものを感じずにはいられないのです。