2013/09/25
成功と失敗の境目
最近、取材の依頼が殺到しています。もちろんあの本のせいです。「私、社長ではなくなりました」。どうやら世の中の社長は失敗を語りたがらないようで皆さん私のところに聞きにきます。何をやって失敗したのかを。失敗談はとても読者に受けるのだそうです。でも本当のことを言うと私は失敗のことだけを語っているわけではありません。だって何が失敗だったのかなんて特定することは出来ないですから。「これさえ無ければ」というような見事な失敗話をみなさん期待されるのですがビジネスにはそんな分かりやすい失敗などないのです。すべては成功の要因でもあると同時に失敗の要因でもある。だから私はやってきた事実をそのまま語っているに過ぎないのです。そうです。事業がうまくいっている時に話していた内容とまったく同じ話です。ブランドと人材に投資してきた話。いい人材を集めるために待遇を良くして給料を増やしたこと。ブランド力を高めるためにメディア受けする投資をしてきたこと。何年も前から取材の度に話していた内容です。それが成功していた時には成功の要因として紹介され、失敗したら失敗の原因として取り上げられる。不思議なものです。同じ話を同じようにしているだけなのに。結局のところ成功と失敗に境目など無いのかもしれません。それはきっとコインの表裏のような関係なのです。