2013/12/11
人が一瞬止まるとき
私の名刺は28ページの小さな本になっています。境目研究家という職業をアピールするために考えた名刺なのです。この名刺を初対面の人にお渡しすると必ず一瞬相手の動きが止まります。「?・・・」という感じで受け取った名刺を両手に持ってじっと見つめたまま黙り込むのです。人は不意をつかれたとき一瞬静止します。意外なものを見た時、意外な人とばったり会った時、意外な言葉をかけられた時、そういう時に体と脳の動きが止まるのです。その後おもむろに相手に対する感情が溢れ出します。それは喜びの感情だったり、悲しみの感情だったり、怒りの感情だったり、恋愛の感情だったりします。つまり、一瞬の間を置いた後、相手を好きになっていたり、嫌いになっていたりする訳です。この一瞬の間を切り取り、その正体を見極め、自在に再現できるようになること。それがこの社会におけるあらゆる成功に通ずる魔法の扉ではないかと思うのです。ビジネスも遊びも結婚も恋愛も、この社会での出来事はすべて人間の感情がベースになって動いています。目的とするの相手にどのような感情を抱かせるかがすべてなのです。「あなたが好きだ」という状態になるか、あるいは「あなたなんか大嫌い」という状態になるか。すべてはその一瞬の演出にかかっているのです。